ナッティとお散歩していると様々な発見や出来事に出会う。僕からすると当たり前のいつもの道中でも、ナッティからすれば裸足で歩く地面は変化や危険がいっぱいであり、見上げた空はどんなに高く映るであろう。
そう、毎日が新たな冒険なのである。昨日と同じ道中でもナッティからすると毎日違う顔を持ち、時にはいばらであり、時には事件にでくわすこともしばしばである。
少し以前の事であるが、片道30分のお散歩でどこまで行けるかあらゆる方位へナッティと旅を続けていた。
この日はひたすら南へと進軍、車やチャリでしか訪れたことがなかった河川敷きのやや上流に15分で到着、意外と最短距離で行ける徒歩は遠くまで行けるものである。
河川敷きに到着し、リードを放してやるとあらゆる方位に駆け回り、旅の醍醐味を楽しんだ。
雑草が密集し茂るポイントを目がけ、わざわざ突っ込んでは飛び出しをくり返し楽しんでいたその時!鳴き声と共にナッティが僕の視界から消えた!
僕は無意識気ナッティと大声で叫びながら消えたポイントに駆けて行くと、川に流れるドブ川にナッティが!
ナッティは鮭の川登りの如く暴れ周り、僕は何も考えずドブ川にダイブ!しかし!水位は数センチ、飛び込んだ僕に容赦なく汚水の返り血が!
とりあえずナッティを陸に上げ、骨に異常がないか体中をサワサワ、痛がったり嫌がったりはなくどうやら大丈夫らしい。それどころか背中を雑草にこすりつけながら、何事もなかったように走り回った。
ようやく僕もナッティも落ち着き、現場検証。ドロだらけになったが2人とも無事で良かった。
が、問題は帰りである。ドブネズミのようなナッティは写真には写らない悪臭が…。僕も打ち上げられた魚のように、ドブ川を飛び回るナッティを捕まえる恵比寿さん行為により、Tシャツがドロドロであった。
帰りの道中、ラブホ街を通り、ネオンに魅かれて突撃しようとするナッティをなだめつつ、フロ貸してくれたらなーと思いつつ、知り合いに合わないようコソコソ家路を急いだ。
そう言えば温水のでる洗車場があったなとしばし遠回りするも、マンションの建築現場と変わっていた。
結局ドロだらけで商店街をパレード、近所の目に目をひからせながら凱旋した。
僕は本当にナッティに出会うまで、犬がドブにハマルなんて考えられなかった。お散歩は実に楽しいイベントであるが、それと共に危険を伴う事を再認識させられた事件であった。