土曜日、ユウコは秋物のお買い物に天王寺へ、僕は営業の先輩の送別会で天王寺へ、ナッティはお留守番であった。
かなりめ迷惑をかけお世話になった先輩の本社への栄転を祝おう、と乗り込んだ。
ホテル街と紙一重の繁華街に、むさ苦しい集団が。。。その一部と化しいざご入店。毎回ながら芸人のように32歳の僕が全然若手の高年齢化の男社会であった。
アルコールの力は世代や育ちの壁をブチ破り、ほぼ初対面の人々ともメッキリ仲良くなっていった。
宴も酣になるにつれ、主役の存在は薄れ酔ったモン勝ちの時間帯へ。僕も先輩と大した話も出来なかったのが残念であるが、またいつかめぐりあうであろう。
毎日当たり前のように暮らしていると、時に身近にいる大事人が当たり前になり、価値を忘れがちになりがちである。そしてこの時ばかりと別れの時に思い知らされるのである。
僕も先輩がいなくなり逆に良くなったと言われるよう、これからは自分が、自分がで行くとしよう。そしていつの日か別れの宴で後ろ髪ひかれる存在になれればな、と思う。
人生の中で出会いと別れをくりかえす事により、酒はよりおいしく呑めるのであろう。
僕が2軒目でモノマネを披露している頃、ナッティはネコ避けからの決死の脱出イリュージョンの練習であった。
ナッティも日々のお留守番があるからこそ、僕の存在価値がデカくなり、より素晴らしいリーダーとして慕うのであろう。これからも値打ちをこきつつ、大げさに再会するとしよう。