大好物のりんごを目の前にして、いまひとつさえない表情のフェリックス。

それもそのはず、ママに御説教された後だから。

「え〜、こんな悲しげな顔にさせるほど叱るなんて、虐待だわ！かわいそうにぃ！」

というヒンシュクが聞こえてきそうなので弁解すると、お散歩中に道端に落ちているりんごの芯をフェリックスが拾い食いしたから。

世の中物騒で、毒の塗ってある落ちている物を食べて、死んでしまったわんこもいるらしいから、絶対に拾い食いしたらだめ！と御説教していたのでした。

ところでその昔、義母は『白雪姫』の絵本を読み聞かせをしていて、

「ヒッヒッヒッ〜！うまく出来たぞ、どくりんご」

という魔女のセリフを

「ヒッヒッヒッ〜！うまく出来たぞ。。。どんぐりこ？？」　

と読み間違いをしたのだとか。ハハハ

いやいや笑い事ではなく、もしもフェリが食べたのが毒りんごだったらたいへんですからぁ。。。

で、厳しい衛生指導の講義の後は、実技指導ね！

「はい、そこ！りんごの芯が落ちていますよぉ！

食べていいのかなぁ？？？」

いかにもワザとらしく、しかも怪しげに置いてあるりんご。。。

う〜ん、さっきママが真剣に言っていたけど、何だっけ？

落ちてるりんご→食べる→美味しい？　

さぁて、ここで呼び戻し。

食いしん坊フェリックスが、りんごを無視して私の所に走って来れるか？それともお説教の内容を忘れてしまったか？

緊張の一瞬！

「フェリおいで！」

「ハ〜イ！ママ」

ヤッタァ！

うまく出来たぞ、どんぐりこ、

じゃない、毒りんご無視ゲーム大成功

いい子いい子！

そう、落ちているりんごは食べたらダメだよねぇ！

ということで、ご褒美におうちの中で小さく切ったりんごを手からもらって食べたフェリックスなのでした。

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