サマーコースも大詰めを迎えた第三週目。
夜8時からのレクチャーは、「ハリーポッターと大英帝国」というタイトルの講義でした。
私が取っているアートヒストリーの生徒だけでなく、サマースクール全体対象のレクチャーなので、生徒数も多く、大きな階段式の教室は満員です。
「ハリーポッター」という名前がタイトルに付いているせいか、驚くほど沢山の生徒が聴講していました。
やっぱりハリーは世界中で有名人なのね。。。
講義をする先生は伝統のローブを羽織り、さながらスネイプ先生みたい!
世界中で翻訳されているハリーポッターシリーズ。
でも、国によっては文化の違いも浮き彫りになります。
たとえば西洋ではドラゴン=悪者、でも中国ではドラゴン=幸運。
西洋の魔法使いの乗り物といえば「ほうき」、でもアラブでは「空飛ぶじゅうたん」。
この作品でよく出来ているのは、”「魔法」で何でも思い通りに出来ること”ではなく、”どんなに「強い魔法」でも「死」に打ち勝つことが出来ない”と言っていることと、勇気や友情の大切さを教えていること。
”どんな「魔法」をしても「死」に打ち勝てない”という点で、世界中の「キリスト教会」を敵にまわさない様にしているのだとか。。。
(「死に打ち勝てるのはキリストのみ」というキリスト教の教えに逆らわないので。)
上流階級出身のマルフォイに対して、中流階級のハリー。
ホグワーツの階級システムはまさに今もあるイギリスの階級社会の縮図。
いじめや差別(純血にこだわる一部の家系)など暗い部分もあるけれど、主人公達は実際今を生きるティーンエイジャーと同じようにswear wordを吐き、実在する場所を物語に登場させて(キングスクロス駅など)ストーリーにリアルさを与え、今もこのイギリスのどこかで現実に起こっている出来事のように感じさせて読者を一気にハリーの世界に引き込みます。
なんだかもう一度本を読み返して見たくなった講義でした。
,←ランキング参加中です。
一日一回クリックしていただけると、とてもうれしいです。