土曜日、ユウコはOLグルメ旅で、南森町にモロッコ料理を喰らいに、僕はサッカーの試合が雨で中止になり、チーム発足の宴になった。
宴の前に、ナッティのお散歩に、以前『屋根付きドッグラン』でご紹介した高速道路の高架下に行った。
普段なら車で10分もかからないのに、雨が強いせいか、途中2箇所で事故があり、20分ぐらいかかった。
薄暗い夜の公園で、例のどデカい柱に、ウイルソンを投げては追いかけてを、くり返し遊んでいると、背後から、「おい!そこを動くな!」と声が!
振り返ると、金網の向こうにパトカーと警官が二人…えっ何?すぐに警官が駆けつけてきた。しかし、ナッティに気づき、警官の態度が急激に軟化。謎はとけた!
おそらく警官は暗い為、ナッティの姿が確認できず、僕1人で「待てえ〜」とか「オラオラ〜」とか叫びながら走っている『危険人物』と判断したのであろう。
そして警察官は何事も無かったかのように、「最近よくこの辺で、外国人や若いヤツが悪さしてんねん」である。
僕の顔は純国産である。そしてどう若く見積もっても、20代半ばが限界であろう。最近オーバー30歳の暴走族もいるらしいが、その場合は若いヤツじゃなくて、いい年してであろう。
疑いがはれ、ゴッティンガムへ帰る途中、ナッティは疲れてぐっすり。起こさぬよう、黄色信号でゆっくり停車。事故を見た後、こんな時こそ安全運転である。が、しかし!ここは大阪である。
NYと大阪では、黄色は『気をつけて進め!』である。信号待ちをしてると背後から、「何止まってんねん!アホ!」「降りて来いボケ!」と怒鳴り声が!
振り向くと、45歳前後の作業服の中年男性が!少ししか開けていない、窓のすきまからアルコール臭が…こういった人物こそ、逮捕してほしいものである。
運転席の窓に酒臭い顔を、近づけてきて怒鳴る為、しかたなく窓を開けて、ご対応にあたろうとしたその瞬間!信じられない出来事がぁ〜
「ガオー!」な、なんとナッティが、酒臭い顔に向かって、おそろしくデカい声で吠え出したのである。中年男性はかなりビックリして、犬が嫌いなのか怖いのか、文句をいいながら車に逃げていった。
その後ナッティは、吠え疲れたのか、怖かったのか、ゴッティンガムに着くまで、僕に寄り添ってグッタリであった。
もしナッティがいなかったら、僕は殴り殺されていたであろう。それは大げさかもだが、普段気弱なナッティが、ご主人を懸命に守ろうとしたのは事実である。
そう、きっと僕が言いたかった人間と犬の間でも生まれる『家族愛』とは、このような事である。
その後、チーム発足の宴に行ったが、タバコの煙にあぶり出され、開始45分で退席。背番号17に決まった。わがチームに1人、お医者様がおられるが、その周りを囲む女性陣と、初対面でありながら、その会話圏内に入り込む合コンの帝王のポジショニングは、スゴいと思った。またしても付き合いの悪さがプレッシャーを増大させたが、いいプレーにつながってほしいものである。