日曜日、朝から家近のホームセンターで、わが家に3台目の『空気清浄機』を買った。
元々はシャープ製のオシャレな新型が、もう少し値段が下がった時点でのご購入を検討していた。
が!1つ古い型が限定5機、1日限り19,800円と激安情報をキャッチ、臨時家族会議でかるく議論の結果、買うことに決定した。
前回『犬臭交差点 〜臭いから匂いへ〜』(ゴッティの選んだ名作劇場参照)でご紹介した、働き者の孫のあたる機種である。
花粉やウイルス撃退はもちろん、わずか1年ちょっとで壊れた、●菱製『加湿器』の代わりの役割もこなすミスト付きである。
働き者の祖父を見習い、悪臭漂う我が家の空気を清浄に浄化し、森林の如くマイナスイオンと安全な空気を供給し続けてもらいたいものである。
ナッティと出会い2年以上が過ぎ、鼻がなれたのか麻痺したのかもであるが、犬嫌いだった僕も完全に匂う側になった。
肉球の香ばしい香りやシャンプーやブラッシング後の匂いは、どこか安心感が漂う気がする。
実際昔に比べ、犬自体の犬臭も減少したような気がする。僕が子供の頃の犬臭と言えば、ブルーチーズをさらに腐らせた腐敗臭のように臭かった。
ドキドキしながら頭を撫でるとギトギトした犬油が手に付着し、犬とふれあう喜びよりも、早く手を石鹸で洗いたい、という衝動にかられたものである。
時代は進み犬★生活も大きく変わった。主食が夕飯の残り物からドッグフードに、居住空間が玄関やお庭から室内が主流になった。
月に何度かお風呂やトリミング、ブラッシングなどにより、犬自体かなり清潔になった。ナッティを触った後に手を石鹸で洗いたい、という衝動にかられた事はない。
話は少しそれるが昔の犬のうんこりんは、鼻がS字に曲がるほど臭かった。
真冬の夜にうんこりんを踏んづけた事を気づかずに車に乗り込み、足元の暖房の風に乗ってナマ暖かいやや焼けたうんこりん臭に気づいたときには、アクセル、ブレーキペダル共にクソまみれであった経験が何度かあるが、その瞬間の惨めさは計り知れない。
しかし昔の犬のうんこりんに比べ現在のうんこりん事情は、道端でお目にかかる事もめっきり減少し、臭いのレベルもフードの進化もあってかかなり減少し、逆に犬の食糞が問題になるという事態である。
30を越えた大人の男が熱く論じる事ではないかもであるが、僕の少年時代には臭いものは数多く存在した。納豆や夏のドブやおっさんの頭皮は臭かった。鉄棒だって昔は握った手に鉄の臭いやサビがこびりついた。
世の中臭いニオイが無くなり、喜ばしい事かもであるが、100年先では『臭い』がこの世から無くなっているかもしれない。
そう思うと僕の少年時代、臭いニオイでテンションが上がり、心躍らせていた事も、未来の子供たちには理解できないであろう。しかし逆に絶滅寸前の臭い物に希少価値が発生し、臭いコロンや臭い消臭剤などが出回っているかもしれない。
ところでナッティ、暖かい風は出てこないよ。ファンヒーターじゃないんだから。