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先日、休日を返上である町のパン屋さんをお手伝い、以前いた部署つながりのある方が、ある町にパン屋さんをオープンし、微力ながら加勢であった。
と、言うのもオープン初日、お祝いとご挨拶に訪れた夕暮れ、昼の2時に完売、うれしい大誤算に次の日の不安、全くを持って素人の手をかりてでもの状況であった。 部署は変われど僕の心意気は変わらず、1つ返事で電車を乗り継ぎ駅徒歩30分も何のそのであった。 洗い物、仕上げ、その他雑用を見習い、朝6時から途切れない客に金もうけとかより、本当にうれしそうにパンを買って行くお客様、多々それだけで胸が熱くなった。 と、言うのも店主はじめスタッフは連日の徹夜、それもこれも、あれもこれも手作りだからである。 カレーやポテトサラダ、クリームやあんこ、トマトソースやピザソースに至るまで手作り、原材料高騰に苦しみつつも妥協を許さず、一生懸命にパンを作る姿を、僕は知ってしまった。 作品の良し悪しだけではそのものの良さが全てなんかじゃなく、すでに作る段階で素晴らしい物語があるのである。 ペットだってそうである。カワイイ犬と飼い主ってなことだけでなく、分厚い絆は物語があってこそである。 僕の想像以上にパン屋の世界はパンバカげていて、子供が粘土細工で遊ぶように小麦粉を練っていた。この時代にパン屋を始めるなんて、本当のパンバカにしか出来ない、そう思った。 焼けては売れを繰り返し、この日も結局2時で完売であった。嬉しそうにパンを買ってくれた客を見るたび、目からウロコがポロりであった。 たった1日であるが、0とは大きく違い、僕はパン屋さんの気持ちで感動した。 たった一日の僕ですらこうなんだから、店をしている人は世界中の誰よりきっとパンが大好きなのであろう。金儲けというより好きな事をしている、それがちょっぴりうらやましかった。 残念だが僕は限られた休日、好きな事を何かしらやらかして行くとしよう。 |
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